世間のウソ
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世間のウソ
新潮新書
定価:714円
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帯
すべてのイカサマ
お 見 通 し!
◆「民事不介入の原則」は警察の作り話
◆鳥インフルエンザで六億人の死者?
◆搾取率世界一! 日本の公営ギャンブル
◆中国「赤ちゃん売買事件」は凶悪犯罪?
◆裁判員制度は北朝鮮顔負けの国民蔑視
◆幼児虐待は本当に激増しているのか?
目 次
第一章 <リスク>をめぐるウソ
第一話 宝くじのウソ
第二話 自殺報道のウソ
第三話 安全性のウソ
第二章 <事件>をめぐるウソ
第四話 男女のウソ
第五話 人身売買のウソ
第六話 性善説のウソ
第三章 <子ども>をめぐるウソ
第七話 精神鑑定のウソ
第八話 児童虐待のウソ
第九話 部活のウソ
第四章 <値段>をめぐるウソ
第一〇話 料金設定のウソ
第一一話 絵画市場のウソ
第一二話 オリンピックのウソ
第五章 <制度>をめぐるウソ
第一三話 裁判員のウソ
第一四話 超大国のウソ
第一五話 他国支配のウソ
あとがき
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まえがき
ウソには五種類あります。
第一は、社交辞令としてのウソです。世話になんかなっていないのに「お世話様です」と挨拶したり、くだらない小説を受け取った編集者が「玉稿をありがとうございます」と言ったりする場合ですね。
第二のウソとしては、皮肉というジャンルがあります。皮肉は、真実でないことを敢えて指摘するという意味で批評の一種です。『エースを出せ!』(文春文庫)で朝日新聞の一面下コラムをくさした私が「なんておもしろいんだ天声人語」と言う場合は、初老の森田健作に向かって「よっ、さすが青春真っ只中!」と合いの手を入れるのと同じ構造になっています。
第三に、その場の雰囲気が作り出すウソというものがあります。ベッドのうえで「良かった?」と訊かれた場合や、浮気がばれた軽薄な夫が「二度としません」と誓うような場合がそれです。本人にはウソをついている自覚はなく、結果的にウソになってしまうことが多い、というのが特徴になっています。
第四は、特定の組織または誰か(たいていは自分)を守るため、あるいは飾るためのウソです。一般的にウソと呼ばれるものはたいていこの範疇に入っていますよね。血液型や星座ではウソをつかないのに体重や何カップかについてサバを読んだり、毛髪の本数を錯誤させたりするのもそうです。「秘書がやった」と政治家に公言されてしまった部下のあやふやな証言とか、愛する真犯人の身代わりになっての"自白"なども、ここに含まれます。犯罪としての詐欺や名誉毀損も、これらの極端な形です。
第五は、世論を誤らせる構造的なウソです。第一から第三までのウソでは、本気にした相手がつけあがるという以外の害はなく、また第四のウソでは、被害者が特定の個人または組織であるのに対して、この分野の被害は広範かつ深刻なものになります。
個々の叙述は必ずしも虚偽ではないのに全体としては大ウソであるため、地上の楽園だと思って帰ったら最貧の独裁国家だった、というような悲劇が多発してしまうからです。
本書では、もっぱらこの「世論を誤らせる構造的なウソ」をとりあげました。もちろん、騙されないために身につけるべき処方箋も具体的に提示してゆきます。
この場合の処方箋とは、世論を誤らせるニュースを正しく見極める、ということに尽きます。本書の効用は、論理と確率統計に強くなるということのはずですが、後遺症として多少皮肉っぽくなる、というのがあるかもしれません。
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