主役100本目を「ゼブラーマン」で笑かしてくれた「Vシネマの帝王」哀川
翔が、一世風靡セピアに参加する直前まで、フリーライターをしていた、とい
うのは意外に知られていないかもしれません。彼は、《肩書きなんていらない》
と明言します。ついでながら、哀川翔には哀愁があるので、私は好きです。
彼の本『翔、曰く』(ぴあ)には、とても大切なことが語られています。冒
頭から、こんな具合です。
《俺たちは働きながら充電している。一年で一個でいいから、得意技を増やす。
五年で五個、十年で十個。十五年で十五個という具合に。気付けば、そうやっ
て働きながら多くの技を身につけてきた。これが休まずに来た強み。だから、
あらためて充電をする必要はない。》(P13)
かっけぇと思うのも、ばかぁと思うのも、あなたのご自由です。
ただし、ストレッチをし続けないと大きな仕事などできるわけがない、とい
うのは圧倒的に正しいと思います。
《継続は力なり……。
凡人が成り上がるにはこれしかないんだよね。》(P60)
《着地点を決めておかないと着陸できない。》(P35)
いずれも大切なことですよね。
さて、ここで私がとりわけお薦めしたいのは、「第4章 家族」です。
《おれんちクリアしたらどこでも生きていけるようにする。》(P170)
たまたま先週号で、私は同じことを書いていたので、その後にこれを読み、
ちょっと驚きました。
《トイレットペーパーがなくなったのを見て見ぬふりをして出てきたら半殺し。
部屋に落ちているゴミを拾わなかったら半殺し。共同生活の基本の基本は叩き
込む。》(同前)
こんなときの半殺し(2度とそのようなことをしないよう2時間くらい絞る)
は、もちろん我が家でも当然でしたが、それ以外の実にくだらないことに多大
なエネルギーを注ぎながら、このあたりの肝心なところをきちんと躾けられな
い親が多すぎます。わがままな子どもの大量生産に精を出してどうするんだよ、
という感じです。
最初から一人で生きているなら、勝手にすればいいでしょう。けれども、一
人で生きているんじゃあないのだから、族長を舐めんなよ、という「族」の掟
は守ってもらわなければならない。まあ、この程度のこともクリアしてこない
子どもが多いから、我々の子育てがラクになるわけで、その意味では感謝して
います。
《答え方ひとつで子供も変わる。だから、適当には喋らない。家は、社会で通
用する人間を育てる場所なのだから。》(P181)
高校を卒業するまでは、なるべく行動をともにする、という点もきちんと押
さえられています。起きる時間もそうですし、外食も、レジャーも、18歳まで
は、できるだけ一緒にする。
《何が基本かというと「みんなで同じものを食べたいね!」と思う気持ち、こ
れが一番の統率なんだよ。それが狂ってくると、家族的なリズムが狂っていく
と思った方がいいね。》(P187)
外食のメニューの件はあくまで例としても、家族を一緒に作っている限りは、
この「統率」という形式を親が作れるかどうか。これが最大で唯一と言ってい
い「子育ての要諦」です。
親が舐められたら、家族はもちません。
「ガッキィファイター」2006年05月31日号に掲載